サロン・ド・テーブルUmemoto 代表 梅本 光江 連載コラム 暮らしを彩るWatashiiro 第33回 〜大切にしたいお正月の縁起もの〜

〜大切にしたいお正月の縁起もの〜

新しい年を迎える.....
毎年の事ではあるのだけれどやっぱり心が引き締まります。
2018年、今年もまた大切な一年がスタートしました。

真っ白な雪が北の大地をしっかりとつつみこむ中、対照的な緑色がお正月らしさを一段と引き立てている門松。一年の始まりにやってくる年神様を迎える依代となる日本のお正月の風景です。この松の緑、“常磐の青“と言っていつまでも変わらない永遠の命や寒さ厳しい冬でも枯れない強さを象徴しているのです。
またお正月に欠かせないものの一つに赤い実がかわいらしい南天がありますね。この木はとても固く丈夫で京都の金閣寺ではこの南天の木を使用した床柱があり現在でも見学できるのです。また江戸時代、南天は泥棒や火事を防ぐとまで言われていたそう...。
語呂合わせで「難を転じる」なんて言う縁起がいい木という事なんですね。
そして実はこの南天、葉に殺菌作用があるってご存知でしたか?考えてみるとお赤飯や魚料理、お正月のおせち料理にも添えてあります。見て、美しいという事もありますが食中毒を防ぐという意味も込め、使われているというのがわかる気がします。

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それからもう一つ大切なお正月のもの…といえば餅がありました。この餅は年神様への大切な飾り物です。お米が一番大切な材料でしたから神様に供える餅は昔から真っ白な米の餅でなければなりませんでした。それが今でいう鏡餅ですね。
神様にお供えした餅を食べることで、皆めでたく年を重ねるというこれも縁起ものだったのでしょう。鏡開きにはこの鏡餅を叩いて家族みんなでいただいたものですが今はこの二段重ねの丸餅が、真空パックになっていて、見た目で間違えてしまうようなプラスチックで作られた鏡餅があり、中にころころとちいさな食べやすい餅が入っている....なんていうスタイルの餅まで売られています。
時間が貴重になり、みんな忙しく働いていたり、どこの家庭もおうちの中が暖かくなりせっかくの鏡餅がカビてしまう!というような現代の時代背景もあるのでしょうか。 でも、どんなに時代が変わってもお正月の祝いの形は引き継がれているのはうれしいことです。

こうして縁起の良い緑・赤・白に代表されるお正月の縁起物、大切にしながら新しい年をお祝いしたいと思います。

サロン・ド・テーブルUmemoto 代表 梅本 光江
監修
サロン・ド・テーブルUmemoto
代表 

梅本 光江

学生の頃から花の美しさに魅せられ華道を学ぶ。
その後、ヨーロッパのフラワーアレンジメントやテーブルコーディネートに関心を持つようになり、インストラクターを取得。
現在、札幌で唯一のお花・お料理・テーブルセッティングを中心としたおもてなしとマナー教室、そしてプリザーブドフラワーの教室を開講。その他、ギフトやウエディングブーケ、ディスプレイなども手がけている。