〜桃の節句と日本のハーブ〜
少しづつ春めいて柔らかな日差しがうれしい3月が訪れました!
季節の移り変わりの中で私たちは四季を楽しみながらたくさんの植物とふれあい様々な行事を大切にしてきました。
そして3月3日は古くから伝わる五節句の中でも一段と華やかなお雛祭り、桃の節句ですね。
春の訪れをお祝いして女の子の健やかな成長を願う平安時代から現代にうけ継がれてきた行事ともいわれています。
あかりをつけましょぼんぼりに…とおひなさまの歌もある桃の節句はお雛様を飾り、菱餅、菜の花やはまぐりのお吸い物、ちらしずし、そして白酒…とお祝いの食べ物もいっぱいです。
菱餅は解毒作用があり魔除けとされる赤い色・血圧降下のある菱の実の白い色、魔よけの力がある薬草の蓬の緑と。3色からできていたり。
ハマグリは、貝合わせという遊びからもわかるように2枚の貝はほかの貝とは決して合わないことから女の子の貞操を象徴していてお吸い物として盛り付ける際には1つの貝に2つの実を入れ仲睦まじい夫婦のようにいつまでも…という祈りが込められています。
そして最後に飲む白酒はお米の麹で作られたものですが、古くは桃花酒と言われる桃の花を浮かべたお酒を飲む習慣が白酒になったという事でこの桃、中国では不老長寿の薬であり、たくさんの実もつけるので生命力の象徴、そして厄除けの果実だそうです。
その桃の花を入れたお酒は病を取りいつまでも健康で美しく…という思いを込め桃花酒としていただく風習があったのでしょう。
このように節句でいただく食事の中にはたくさんの意味があり、季節の変わり目に成長しだした草木・ハーブが登場します。
蓬がわかりやすい例で、香りを思い出すとわかるようにれっきとしたハーブです。お雛様の横に飾られる橘の木と桜の木、この二つもハーブと言えるのです。
橘はミカンやゆずの仲間で沢山の実をつけ、さわやかな香りと、抗酸化作用が強いといわれていますし、桜も桜湯や桜餅でご存知のように優しい甘い香りが特徴のハーブの一種です。
ハーブというとラベンダーやローズマリー・カモミールといったかわいらしいお花や西洋のものといったイメージがあるのですが、日本古来のハーブというものも私たちは知らず知らず日常でも使っているのです。
お刺身の付け合わせに欠かせない大葉・ウナギにつきものの山椒、お寿しのガリ(生姜)もれっきとしたハーブです。
1月には七草、5月は菖蒲……日本の節句には季節ごとのハーブが当たり前のように大切に行事食として使われてきたのです。
親から子、まごへとと受け継がれていく日本古来の五節句にはたくさんの知恵と工夫が詰まっています。そんなことを考えて“お雛祭り”たのしんでみませんか?
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サロン・ド・テーブルUmemoto
代表
梅本 光江
その後、ヨーロッパのフラワーアレンジメントやテーブルコーディネートに関心を持つようになり、インストラクターを取得。
現在、札幌で唯一のお花・お料理・テーブルセッティングを中心としたおもてなしとマナー教室、そしてプリザーブドフラワーの教室を開講。その他、ギフトやウエディングブーケ、ディスプレイなども手がけている。