日本の花 〜桜色の季節〜
新しい一年の始まりをまた感じさせてくれるような4月、うれしい春がお花たちを連れてやってきました。 そんな春に咲くお花はよく考えてみるとどれも個性ゆたかな香りあるものが多いような気がします。いままで眠っていた命のエネルギーが目覚めたように一斉に草も木も花も、風にそよぐ空気までも素敵な春の香りに満ちているのです。
スイセン・ミモザ・パンジー・スイートピー・ヒアシンス…
そんな沢山の花たちの中に日本人が心から愛してやまないお花、桜があります。
花色は淡いピンクから濃いめのピンク色までいろいろですが、やはりピンクというよりは桜色というのがしっくりきますね。
この誰もが春のお花として名を挙げる桜、日本では古くから田んぼの神様が宿る依代と考えられ、春になると野原に出てこの田んぼの神様を迎えもてなす行事をして楽しんだといわれ、これが今でいうお花見の始まりのようです。
“花より団子”・“お花見弁当”…などという言葉が生まれるほど春に欠かせないお花になっているのも日本ならではですね。 そして桜には沢山の種類がありますがそのほとんどが若葉より先につぼみが出て花が咲き誇り、花吹雪に例えられるほど一斉に散ってゆくというそれはまた何とも美しく愛され続ける姿なのでしょう。
実は以前3月から4月初旬にかけて訪れたフランスの郊外で桜のお花を目にする機会がありました。世間知らずの私は桜が遠いフランスで咲いているなんて考えもしなかったのでびっくり!!でも異国の空の下、新緑の草木を共にして堂々と静かにしっかりと咲き誇っている姿にうれしくも感動したのを覚えています。そして偶然にもこの原稿を書いている矢先早朝のTVニュースでワシントンでは、日本より一足早くソメイヨシノの桜が見ごろを迎えているとの報道!またまた驚きの一瞬。ふと手を止めてTVを見入ると100年ほど前に日本政府から送られた桜でこの季節人気のスポットになっているとのことでした。 こんな風に春に咲く素敵なお花の一つ桜が日本人だけでなく世界の人たちにも愛されているという事にどこか誇らしい気がします…
連日報道される桜前線、南から少しずつ北上していてそろそろ東京でも開花が始まったようで、やはり春の嬉しいニュースです。 さて、私の暮らす札幌に桜の開花が訪れるのはもうすこしさきになりそう。 ゆっくりお花見弁当のメニューでも考えてみることにしましょうか…
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サロン・ド・テーブルUmemoto
代表
梅本 光江
その後、ヨーロッパのフラワーアレンジメントやテーブルコーディネートに関心を持つようになり、インストラクターを取得。
現在、札幌で唯一のお花・お料理・テーブルセッティングを中心としたおもてなしとマナー教室、そしてプリザーブドフラワーの教室を開講。その他、ギフトやウエディングブーケ、ディスプレイなども手がけている。