株式会社ロゴス 代表 金澤亜紀子 連載コラム これが賢いおうちの買い方、借り方、暮らし方 第9回「近年増加傾向の住宅診断(ホームインスペクション)について」

今回は、最近需要が増えている中古住宅の購入に関して
購入時に是非検討していただきたい住宅診断についてご説明いたします。

近年増加傾向の住宅診断(ホームインスペクション)について

ホームインスペクション(住宅診断)とは、住宅に精通した有資格者(住宅診断士等)が、第三者的な立場から、また専門家の見地から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期を調査・診断する事です。おおよその費用などを合わせて算出しアドバイスを受けることも可能です。

住宅の購入前や、ご自宅の売り出し前にホームインスペクションを行うことで、建物のコンディションを把握し、安心して取引を行うことができます。居住中のご自宅について調べることも可能です。また、不動産仲介業者が物件の状況を消費者に明らかにするために利用するケースも増えています。

米国では、州によって異なりますが、取引全体の70〜90%の割合でホームインスペクションが行われ、すでに常識となっています。日本でも近年、急速に普及しはじめています。宅建業法の法改正により不動産取引のプロである宅建業者がホームインスペクションの活用を促すことが普及の理由の一つではないでしょうか。

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診断の方法は、目視で、屋根、外壁、室内、小屋裏、床下などの劣化状態を診断するのが基本です。機材を使用する詳細診断もご依頼する調査会社によって選べます。
調査会社や依頼主の要望によっては専門的な機器を使用して診断したり、床下や天井裏などの内部に立ち入って診断するなどさまざまなケースがあります。ホームインスペクションの費用は、目視による標準的な診断で、5万〜8万円程度が一般的です。

ホームインスペクションを行うことによる売主側のメリットとしては住宅についての現在の状況を正しく把握できる為、引渡し後の買主とのトラブルや不慮の出費を未然に防ぐことや買主の不安が軽減され売却しやすくなります。

買主側のメリットとしては専門家がチェックすることで購入予定の住宅への安心感が増します、逆に言えば不具合のある住宅を購入するリスクが低減します。修繕が必要な箇所が分かるので購入後の適切なメンテナンスの見通しが立てやすい等のメリットが生まれます。

買主側にはホームインスペクションをすることで既存住宅かし保証保険が利用できるようになります。新築住宅ですと引渡し後10年間の保証が付きますが引渡し後、2〜3ケ月間迄の瑕疵を修繕する内容の契約がほとんどです。引渡し時の現況渡しの場合は修繕も買主側でしなくてはなりません。既存住宅かし保証保険は保証内容や期間は商品で様々ですが依頼する機関によっては5年保証期間が受けられる商品があります。保険料は住宅の延床面積や商品にもよりますが2万〜3万程度で受けられます。

購入後に水漏れや躯体部分の修繕が必要になってしまうと非常に高額な修繕費用がかかってしまいます。リスク回避の為に、買主側に非常にメリットがある内容となっております。

『不動産は一生に一度の買い物』と言われます。
まさにその通りです。
大切な住宅をチェックする事は決して高い買い物ではございません。
住宅を売却しようとお考えの方、中古住宅をこれから購入しようとお考えの方は、ホームインスペクションを行う事を強くお勧めさせて頂きます。


株式会社ロゴス 代表取締役 金澤 亜紀子
監修
株式会社ロゴス
代表取締役

金澤 亜紀子

大手不動産会社に勤務後、2015年株式会社 ロゴスを設立。戸建て・マンション・収益物件など、様々な不動産に関する案件を幅広く手がける。 地元ハウスメーカーとのコラボレーションイベントも定期的に開催し、特にライフスタイルに合わせた住宅提案は評判。 不動産のことで迷ったら「まず彼女に相談」という方も多く、不動産を活用した資産運用も多数手がける。