色から心のメッセージを受け取ってみよう2
こどもの心と色について
今回は色彩と心の関連性の続き、「こどもの心と色について」のお話をしていきます。
小さいこどもが選ぶ色にはその時の心の欲求や性格傾向が表現されます。
サインペンやクレヨンを使い、同じ色でグルグルと線画を描くことや、一定の期間、一色の色彩にこだわりを持つことがあります。
基本はこどもたちが自分の世界にひたり、のびのび描いた絵の中に使われている色になります。絵をあまり描くことがない場合は、こどもが大人の指示なく選んだお洋服や靴下、文房具などにも反映されます。
そんな時は心がぐっと成長し、新しい発達や心の場面にむけて準備をしている時になります。
または、言葉では表現しきれない心の想いやイメージを色によって表現していきます。もちろん、その日の体調やイライラなどの感情も現れますが、それらは1枚目の絵、描き始めの色であったりします。ですから、心の様子を見る場合は2枚から3枚目の絵、または継続的に描画している絵からみるというのがポイントになります。
例えば、暖色を好む場合の性格傾向は外向的になります。外の世界に興味・関心があります。人との関わりや自分の意志、感情を比較的外に向かって表現していきます。喜怒哀楽が激しい場合もあります。
では寒色を好む場合はというと、性格傾向は内向的になります。自分の内側で起こる出来事に興味・関心が向きます。じっくり考え、想像力を働かせて心の世界と関わる時間を必要とします。一見、おとなしく静かな印象がありますが、感受性は鋭く、繊細なところもあります。
暖色・寒色という2つのカテゴリーからみても心の向く方向性が違うため、コミュニケーションの取り方が変化します。
色彩には互いの心地好いコミュニケーションを築くためのヒントがたくさん隠れています。
もちろん、こどもの心だけでなく、私たち大人にとっても周りの人との関係を見ていくのにも役立ちます。
わたしは、いつも先入観のない自由な発想からうまれるこどもの色彩感覚の豊かさに驚かされています。なにより、こどもたちから、色と身体、色と心の深いつながりを学んできました。
その時の心の在り方を表現していく色模様。それらには、良い悪い、綺麗汚いはなく、心の浄化・再生のプロセスです。ただただ、色と向きあいその変化に身をゆだねていくことが心を受け止めていくことにつながっていきます。
色の持つイメージワード(幼児バージョン)
子ども(未就学児)の場合、黒・白はストレスカラーとして扱いますが、色の見方が難しいので今回は9色でカラーイメージを作ってみました。一色一色のバリエーションは、あくまで、“○○な傾向”という一般的な解釈です。その子の生育歴や環境や家族関係によって色の解釈の幅は広がっていきます。とても簡単にまとめてみましたので参考までに色で遊んでみてください。
◆オレンジ/両親を表す色
(両親に対するメッセージが込められている場合あり)
わくわく・ドキドキする気持ち、好奇心の色。お友達に興味を持つ時にもオレンジ色を使う場合もあり。
◆赤/お母さん・母性を表す色
(母親に対するメッセージが込められる場合あり)
自分の気持ちと身体のつながりを表す色。お母さんの愛情の中で安心したいという気持ちの表れに赤を使う場合あり。(但し、アトピー傾向のある子は良く使用する)
◆黄/お父さん・父性を表す色
(父親に対するメッセージが込められる場合あり)
言葉のやりとりに興味を持つと黄色の始まり。おしゃべりになって歌を唄ったり、お笑いが好きだったりとコミュニケーションの幅が広がっていく。
◆緑/協調性を表す色
(公園デビュー・プレデビュー)
グループでの遊びに興味が芽生えた時に使う色。2〜3人のお友達の輪の中へ入っていく準備が心で始まっている。また、突然視力が下がったりする時に、深緑を使う場合有り。
◆青/社会性を表す色
(幼稚園デビュー)
時間やルールを守って生活をすることに意識が芽生え始める。幼稚園などで集団に入る準備が出来てくると使う色。(但し、ぜんそく・アレルギー性鼻炎や結膜炎の子はよく使う色)
◆ピンク/スキンシップを表す色
スキンシップやふれあいを表す色。小動物や昆虫などの生き物に興味がある場合もあり。思いやりや優しさを表す色でもある。
◆水色/想像性の色
イマジネーションを活性化する色。お話を作って遊んだり、ごっこ遊びやヒーロー達に興味が湧く時期。
◆紫/五感の過激さや疲れを表す色
過敏さやこだわりを表す色。食べ物や着る物に対して好き嫌いが激しかったり、音に敏感に反応したりする傾向がある場合に紫を使う場合あり。(但し、少し元気のない時や風邪などの回復期もよく使う)
◆茶/欲求の色
何かとっても欲しい物や欲求が強い時に使う色。(但しこげ茶とオレンジ、黄などが混ざっている時はトイレトレーニングの準備中の場合あり)
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アートセラピーサロン「ま・れうれう」
心理カウンセラー・絵画療法士
松谷 桂子