アートセラピーサロン ま・れうれう 心理カウンセラー・絵画療法士 松谷桂子 連載コラム 第4回「樹の絵を描こう」

樹の絵を描こう

今回の心と対話するアートセラピーは「樹木画」についてお話をします。
「あなたの好きな樹をイメージしてください」という問いにどのような樹を心に思い浮かべますか?それは、どんな場所にどのように植えてありますか?林や森でしょうか?
公園や広場?それとも、海辺や湖のほとりでしょうか?
そばには、どんな風景がみえますか?少しの時間、想像してみてください。

絵画療法では、樹の絵は特別な意味があります。もちろん、絵に描いた樹木だけでなく、みなさんにとってのお気に入りの樹や、今想像したイメージの中の樹も同じようにとらえていきます。
樹は心のエネルギー状態を表します。心の中にいるもう一人の自分です。
自分の心身の健やかさ、心が満たされているかのバロメーターになります。
私たちの生活に樹はいつも目にとまっていますよね。樹や山、川などは心象風景と関わりがとても深いのです。
心の中でイメージした樹はどんな場所に植えてあるか?という質問は、今あなたのいる環境を心がどのようにとらえているかということです。
空気や土があり、枝をのびのびとのばせる環境でしたか?
周りには他の樹木がありましたか?

樹の状態はあなたの心の状態になります。
大地にしっかり根をはっているでしょうか?根元のまわりはどんなかんじでしょうか?
大地にしっかり根をはっている木は心の栄養が吸収でき、ストレス耐性が高いです。
樹の根元がイメージできないときは心の栄養がとれず、消耗し、人の意見に左右されてしまいがち。また、疲れやすい状態でもあります。
イメージ

幹はあなたの自我になります。
今の心の状態です。幹に影や、ウロ(空洞)などがあるときは心がデリケートになっているときです。
枝はどんな感じでしょうか?たくさん枝分かれしているときは頭の中がいっぱいのとき、やるべきことがたくさんという状態です。枝が描けないときは、夢ややりたいことは思いつくのだけど、どのようにやっていけばよいかわからないときによく見られます。

樹冠は未来や将来へ対する希望です。お花や果物などが描かれていれば、心は将来について楽観的です。
松や杉の木のような樹冠をイメージしたならば、社会や今の自分の居場所にストレスを感じているかもしれません。

さて、みなさんはどんな樹木画になりましたか?では、この樹木画を使ってどのようにメンタルケアをするのかというと、この樹がどんなことをしてあげたら喜ぶかな?と想像してください。
お水や肥料をあげたいと感じたら、自分のための楽しい時間や休息をとることになります。
お花を咲かせてあげたいなと感じたら、自分のためにおしゃれやエステなどもよいかもしれません。
枝がいっぱい分かれているならば、優先順位を決めることや1つ1つのことを丁寧に行うことにトライすることもおすすめです。
もう、何をやっていいかわからないときは公園や林などに行き、樹を眺め、お気に入りの樹に触れてみるだけでも元気になります。
是非、心の中にあるもう一人の自分に出会ってみてくださいね。

アートセラピーサロン ま・れうれう 心理カウンセラー・絵画療法士 松谷桂子
監修
アートセラピーサロン「ま・れうれう」
心理カウンセラー・絵画療法士 

松谷 桂子

学校・幼稚園での講演会や子供の絵画分析、企業向けカウンセリング講座、コミュニケーション向上研修会、リスナー教育などを行っている。メディア取材として、のりゆきのトークDE北海道の心理テスト「今日のア・タ・シ」の監修や、道新オントナにて心理テストの監修、ケイコとマナブ(情報誌・リクルート出版)の心理テストの監修など各メディアからの評価も高い。