梅本 光江 連載コラム 暮らしを彩るWatashiiro 第5回「秋の気配は五感を研ぎ澄ませて愉しみたいもの……」

秋の気配は五感を研ぎ澄ませて愉しみたいもの……


朝夕の少しだけ冷たい涼しい風が、秋の気配を感じるようになりました。

あの蒸し暑かった夏、ジリジリした夏は本当にあっという間のような……。
考えてみると春がなんとなく寒くて……夏は来るのかしらと思っていた矢先の暑さ到来、心の準備もないままでの今年の夏だったのでは??
一年のなかで貴重な四つの季節“春・夏・秋・冬”その中の半分を過してきました。
この四季を五感全てで感じ取れるのはとても贅沢なことなのかもしれません!
残されたこれからの季節、秋・9月。夏のお花も終わり草木が茂るお庭や道端では元気な虫の声が秋の到来を喜んでいるようにも聞こえます。

こんな風に昔から、虫の声でここちよさを感じたり、川のせせらぎの音が心にしみわたる……とか、お湯の沸く音が気持ちを落ち着かせる……とか。日本人は特に音にとても敏感で、忙しい日々の中で、耳から聞こえる音のなかに、愉しみや癒しを見つけていたのでしょう。
ここのところ私達はますます“時間”と言うものに支配され、少し頑張りすぎているような気がします。“前向きに生きる”と言うことと、“底なしの欲望”のようなものが、身体・心を疲れさせているのかもしれません。こんなときこそ、身近にある“自然の宝物”の力を借りて心に栄養を与えてみるのが大切なのかもしれません。

暮らしを彩るWatashiiro
暦の上では長月とよばれる9月、秋の収穫も嬉しい季節です。
美味しいものが心を満たしてくれますし、すっきりと澄んだ秋空にはまん丸のお月様が美しく見える十五夜、お月見もあります。
今年はちょうど9月27日。お天気が良くなることを祈って、ススキやお団子を飾りゆっくりと明るい満月を眺めてみてはいかがでしょうか?
素敵な秋は、空気が澄んで空も高くてきれいです。
秋の虫たちと一緒に五感をとぎすませて忙しい時間から開放されるのも愉しいすごしかただとおもいませんか?

サロン・ド・テーブルUmemoto 代表 梅本 光江
監修
サロン・ド・テーブルUmemoto
代表 

梅本 光江

学生の頃から花の美しさに魅せられ華道を学ぶ。
その後、ヨーロッパのフラワーアレンジメントやテーブルコーディネートに関心を持つようになり、インストラクターを取得。
現在、札幌で唯一のお花・お料理・テーブルセッティングを中心としたおもてなしとマナー教室、そしてプリザーブドフラワーの教室を開講。その他、ギフトやウエディングブーケ、ディスプレイなども手がけている。